更新日: 2023/1/24

A1A株式会社は、2018年6月に創業。2019年に製造業購買部門向けSaaS「RFQクラウド」をリリースし、B2Bの世界の課題解決を目指しています。

順調な成長を続けていたA1Aですが、2020年に大きく方針転換。プロダクトの在り方やビジョン、そして解決すべき課題について見つめ直し、今、再スタートを図ろうとしています。

今回はそんなA1Aが創業以来歩んできた道のりについて、代表の松原さんにインタビュー。方針転換の背景や松原さんが得た「気付き」について、詳しくお伺いしました。

※本記事ではCEO松原の目線でA1Aの成り立ちから方針転換までをお話いたします。

一方で、開発メンバーは方針転換をどのように感じていたのか、またどのような経緯で新規プロジェクトの開発に着手したのかなど事業ピボットの詳細はCTO佐々木よりお話しておりますので、併せてご覧ください。

成長プロダクトの事業ピボットを決意したCTO視点で見る、SaaS企業の「命」とは

いつか起業したい一心でキャリアを形成してきた

―松原さんは、なぜ起業家を目指したのでしょうか?

松原:私は子供の頃から、プロサッカー選手になるか起業家になるか、いずれかを目指していました。小学生の頃はサッカーチームで全国優勝をして、中学でも関東2位の成績を残し全国大会に出場していましたし、実際にプロに転向したチームメイトも多くいます。

ただ、あるとき自分の才能や能力の限界に気付いて、サッカー選手になるという夢を断念。以来、プロになったチームメイトと肩を並べるような、「自分の名前で戦える」起業家になりたいと強く思うようになったのです。

―それ以降、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。

松原:以降のキャリアは、「起業するためには何をすべきか」という軸で選択してきました。大学時代はインターンでヘッドハンティングの仕事に就き、スタートアップの経営者たちを間近に見てきましたし、会社を作るためには「モノを売る能力」か「モノを作れる能力」のどちらかが必要と考え、「モノを売る能力」を求めて新卒で製造業のキーエンスに入社。営業として中部地方の自動車関連メーカーを担当しました。 営業ノウハウを身に付けた後は、具体的な事業の立ち上げ方法を知る必要があると考えて転職を決意し、リクルートやコロプラに応募しています。起業をする上でIT企業を作る場合は「事業」についてもっと知らないとならないといけないと考え、リクルートの新規事業担当は有望でした。しかし、ちょうどコロプラはVCの立ち上げ期であり、VCなら「お金」のこともわかるし、さらにスタートアップのファイナンスにも関われると思い、コロプラのCVCであるコロプラネクストに入社を決めました。2年ほど勤めて、2018年6月にA1Aを創業したのです。

キーエンス時代の原体験を基にA1Aを創業

―A1Aを立ち上げるにあたり、どのような軸で事業を選んだのでしょうか?

松原:実は過去の転職活動時にリクルートへ応募した際、最終面接で新規事業案のプレゼンを行った経験があり、それがA1Aの事業の原型になっています。

とはいえ正直なことを言えば、誰のどのような課題を解決したいのか、強烈な原体験やビジョンがあったわけではありません。世に存在するスタートアップの代表の方は、強烈な原体験が創業の経緯になっている場合もあるのですが、私は「起業をしたい」という強い思いのもと、事業を選んだタイプですね。実際の流れとしては、起業を決めた2017年12月から半年間ほど、ずっと事業探索をしていました。